国連平和維持活動(PKO)において、紛争当事者間の同意や、自衛以外での武器使用を禁じられた伝統的PKOとは異なり、当事者の同意がなくても、一定の武力行使権限を行使できる、いわゆる積極的PKOのために国連が派遣する部隊。兵力を使わない措置では不十分であると認められた際に軍事行動ができるとする国連憲章第7章に基づくもので、平和執行部隊ともいう。冷戦後、PKOの任務が多様化したことにしたがい、ガリ国連事務総長(当時)は1992年6月、平和強制部隊の創設などを提唱した。93年には、安全保障理事会(安保理)が、内戦と飢餓状態の続くソマリアに平和強制部隊を展開したが、武装勢力との衝突などで多数の死者を出し失敗に終わり、95年に全面撤退した。同じ時期、旧ユーゴスラビアへの派遣でも同様の結果となった。2013年2月になって、国連がコンゴ民主共和国に平和強制部隊の派遣を検討していることが明らかとなり、日本のPKO政策にも影響を及ぼすと考えられている。