2010年4月8日にチェコの首都プラハで、アメリカのオバマ大統領とロシアのメドべージェフ大統領が調印した、米ロ間の新たな戦略核削減条約。09年12月5日に失効した第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約で、主な内容は、(1)長距離射程である戦略核の、配備された弾頭数の上限を現在の2200発から1550発に制限する、(2)核弾頭の運搬手段である大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と戦略爆撃機を、配備済みは計700に制限する、(3)条約の順守と履行を検証する、など。有効期間は10年間で、両国の批准を経て発効後7年以内に戦略核などを削減する。アメリカとロシアが保有する核弾頭の総数は2万2000発余りで、世界の核兵器の95%を占めている。そのうち戦略核はアメリカが約5500発、ロシアが約4000発保有するとされる。02年の戦略攻撃力削減条約(モスクワ条約)では爆撃機に実際に搭載された数を「配備弾頭数」としたが、今回の条約では爆撃機1機を核弾頭1発と数えるため、実際にはそれほどの数を削減しなくてもよくなる、という見方もある。またアメリカのミサイル防衛(MD)が制限されるか否かに対する米ロ両国の認識の違いや、条約批准に必要な3分の2以上の賛成票をアメリカ上院で得られるか、などの懸念も残された。