ノルウェーのノーベル賞委員会は、2011年10月7日、ノーベル平和賞をリベリアのエレン・サーリーフ大統領(Ellen Johnson-Sirleaf)、リベリアの平和活動家リーマ・ボウイー(Leymah Gbowee)、イエメンの人権活動家タワックル・カルマン(Tawakkul Karman)の3人の女性に授与すると発表。授賞理由は、「女性が平和の構築に全面的に参加する権利と女性の安全を得るための非暴力的闘争」とされた。サーリーフは、民主的に選ばれたアフリカ初の女性大統領として、内戦後のリベリアの平和維持と、同国の経済発展などを果たし、女性の地位向上に貢献した。ボウイーは、アフリカのNGO団体「平和と安全の女性ネットワーク」代表を務め、民族や宗教を超えて女性運動を展開し、長年にわたるリベリア内戦(1989~2003)の終結や、女性参政権の獲得に寄与した。カルマンは、イエメンの人権団体「束縛なき女性ジャーナリスト」代表を務め、「アラブの春」として中東や北アフリカ地域の民主化運動が注目される以前から、イエメンの民主化運動や女性の権利向上において指導的な役割を果たした。なお、32歳で受賞を果たしたカルマンは、1976年に受賞した女性平和活動家メアリード・コリガン(当時32歳)より1カ月若く、歴代最年少受賞者となった。また、女性に同賞が贈られたのは、2004年のケニアの環境保護活動家ワンガリ・マータイ以来となる。賞金の1000万スウェーデン・クローナ(約1億1000万円)は、3人に均等に配分される。ノーベル平和賞は、1901年に創設され、ノルウェー国会(ストーティングStorting)が選んだ5人で構成されるノーベル賞委員会によって選考される。