アメリカ大統領が、議会に対して毎年提出する翌会計年度の予算案および財政運営の指針。アメリカでは、大統領が予算法案を提出する権限がない。そのため、大統領の政策や予算編成、中長期的な経済の見通しなどを議会に示すために作成される。議会は、予算教書を受けて予算法案を作成し、審議する。2012年2月13日、アメリカのオバマ大統領が、2013会計年度(12年10月~13年9月)の予算教書を議会に提出。12年度の財政赤字は、1兆3270億ドルで、09年に次ぐ2番目の高水準と見込んだ。13年度は景気の回復を見込み、歳入総額を前年度比10%増の2兆9019億ドル、歳出総額を同2%増の3兆8033億ドルとした。財政赤字は9014億ドルとなり、依然として高水準だが、5年ぶりに1兆ドルを下回る見通し。短期的には、6年間で4760億ドルのインフラ投資や、3500億ドルの雇用促進策で景気を刺激し、中長期的には、富裕層に対する約1兆5000億ドルの増税によって財政再建をめざすことを柱としている。また、戦費を除いた国防予算案は、前年度比5%減の5254億ドルとし、01年の同時多発テロ以来初めて削減したほか、イラク戦争の終結などにより戦費も同25%減の885億ドルと削減された。