茶会運動(tea party movement)とも。2009年1月にアメリカのオバマ政権が発足した後、同政権の財政・経済政策に反対する草の根保守団体が集まってつくったゆるやかな連合体。医療保険制度改革や税金による銀行の救済を、「大きな政府」路線として批判する。「ティーパーティー」の名は、アメリカ独立前の1773年に、イギリス本国が課した重い茶税に抗議して人々がボストン湾に茶箱を投げ捨てた「ボストン茶会事件」と、「Taxed Enough Already(税金はもうたくさん)」の頭文字をかけたもの。参加者は、「大きな政府」によって不利益をこうむることを懸念する医師や弁護士などの富裕層が多く、インターネットやツイッターを駆使するなど、これまでの保守運動にはなかったスタイルが特徴。最近では、「小さな政府」論者だけでなく、人工妊娠中絶反対派やキリスト教原理主義者なども合流し、規模を拡大している。2010年2月には初の全国集会が開かれ、08年の大統領選挙で共和党の副大統領候補を務めた保守派のサラ・ペイリン前アラスカ州知事が基調演説を行った。10年11月に行われる中間選挙に向けた各州の共和党予備選において、ティーパーティーの支持を受けた保守系の候補が躍進するなど、政局の動向に影響を及ぼしている。