アメリカと韓国間で、95%以上の工業製品と消費財の関税を5年以内に撤廃し、両国間における貿易と投資の拡大をめざす協定。2006年から両国間で交渉が始まり、07年4月に基本合意されたが、自動車分野の条件などでアメリカ国内の反対を受け、発効のめどがたたない状況が続いた。また韓国内でも、アメリカ産牛肉の輸入制限緩和などに対して反対運動が起こった。10年12月、両国間での追加協議の末、アメリカが要求していた韓国の牛肉輸入制限撤廃を先送りするかわりに、韓国が自動車分野の規制緩和を受け入れることで、再び合意に達した。11年10月にはアメリカ議会で批准法案が可決。11年11月22日、韓国与党ハンナラ党は、反対議員が国会内で催涙剤をまき散らすなど、混乱するなかで批准法案を強行採決し、与党議員などの賛成多数で可決した。韓国国内では、海外投資をめぐる紛争解決の際、投資先国の裁判所ではなく、国際仲裁機関へ提訴できるようにするISD条項(ISDS条項とも)に対して反発があるほか、農畜産業と保険などのサービス業への影響を危惧(きぐ)し、最大野党の民主党などが激しく反対している。同協定は、早ければ12年1月にも発効する予定。