アメリカのホノルルで2011年11月12~13日に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で採択された首脳宣言。宣言では、21カ国・地域が加盟するAPEC地域を、今や世界の成長の牽引(けんいん)役であると認識。ドーハ・ラウンド(WTO新ラウンド)の交渉停滞を憂慮し、斬新で信頼性のあるアプローチを求めた。その上で、優先課題とされた、(1)地域経済統合の強化と貿易拡大、(2)経済成長と地球環境保護を両立させる「グリーン成長」の促進、(3)規制の集約など改革と協力促進、について言及している。(1)の地域経済統合の強化では、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)などを通じ、地域の経済統合や貿易協定締結などに努力すること、効果的なイノベーション政策の促進、中小企業が域内貿易で直面する障壁に具体的に対処することなどを挙げている。(2)のグリーン成長促進では、15年末までに太陽光パネルや電気自動車といった「環境物品」にかける実効税率を5%以下にする、APEC全体のエネルギー効率を35年までに05年比で45%改善する、としている。(3)の規制の集約と協力に関しては、規制の影響評価などを含め、良い規制慣行の実施に向けて13年までに具体的な措置をとるとした。さらに、今後に向けて、女性の経済的機会拡大のために具体的行動をとること、自然災害の被災者たちと連帯し、民間や市民社会とともに緊急時の備えに努力することなどを表明している。