大きさ2.5μm(マイクロメートル)以下の微小粒子状物質。ディーゼル車や工場の黒煙などに多く含まれ、毒性が強く、肺がんやぜんそくの原因とされる。アメリカでは1997年に環境基準を設定、EU(欧州連合)も2006年10月に規制導入を決定した。環境省では、00年からPM2.5と健康被害との関係を探るため、動物実験や疫学調査を続けてきたが、近く健康への影響を評価する検討会が設置される予定。これまでの成果に海外での動向なども加味して、学識経験者らが基準設定作業に入る。これまでは、10μm以下のPM10が対象だったが、PM2.5はより高い危険性が指摘され、01年の「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx法)」の改正案(自動車NOx・PM法)可決の際は、「できるだけ早期に環境基準を設定すること」という付帯決議もあった。しかし、「人体への影響がはっきりしない」と基準作りは先送りされてきた。東京大気汚染公害訴訟(1996年第1次提訴)の和解協議で、原告側はPM2.5規制を強く求めている。