排気量3000ccのエンジンを搭載した自動車ではなく、3リットルの燃料で100km(燃費約33km/L)以上の走行が可能な、低燃費自動車を指す。日本製でこれを実現しているのは、トヨタのプリウス(1997年発売)とホンダのインサイト(99年発売)で、いずれもエンジンとモーターを組み合せたハイブリッド車であるが、フォルクスワーゲン社が99年から投入した「ルポ3L TDI」は、ディーゼルターボエンジン(1200cc)のみの搭載で実現した、数少ない例である。一般に、化石燃料を燃焼して車両を動かすためには、熱損失、排気損失、ポンプ損失、摩擦損失などの多くのロスが生じ、100%の燃焼エネルギーから、車軸に伝わるエネルギーとして取り出せるのは、わずか20%といわれる。ヨーロッパでは、環境に配慮したより厳しい排出ガス規制である「ユーロ5」が2009年から導入されるなど、環境負荷のより少ない車の需要がある。またアメリカでも、20年までにガソリン燃費の平均40%の大幅な向上が求められ、また日本でも15年度に、乗用車のガソリン燃費の平均23.5%の向上が求められている。各自動車メーカーは、目前に迫ったエコカー市場を前に、「3リッターカー」への取り組みを進めている。