騒音の測定や評価に用いる計算方法の一つで、時間帯補正等価騒音レベルとも呼ばれる。環境省は航空機の騒音の評価指標として、旧・環境庁時代である1973年以来、WECPNL(W値 weighted equivalent continuous perceived noise level)という計算方法を採用してきた。この方法は、当時の観測機器や技術の水準に合わせて簡略化されており、20秒の間隔の中での騒音のピークを頂点にして三角形を描き、それらの面積を合計して平均化するようなものといえる。そのため、2本の滑走路を対象に航空機の離着陸の騒音を評価した数値が、1本の滑走路のみを対象にした数値よりも低くなるという「逆転現象」が起こり、その信頼度が疑問視されてきた。そこで、同省は、2013年度から、国際基準の新指標となっているLdenへと移行する方針を固めた。Ldenは、(1)おのおのの飛行機の離着陸時に発生する単発的な騒音エネルギーのデータをもとに、(2)日中(07:00~19:00)・夕方(19:00~22:00)・深夜(22:00~07:00)の時間帯ごとに、それぞれのデータ標本に一定の「ペナルティー値」を反映することで補正を行い、(3)合計して、1日の時間平均をとったのち、(4)ヒトが刺激を知覚するときの法則にも通じる対数計算で騒音のレベルを算出する。航空機1機ごとの騒音レベルまで追跡できるため、逆転現象も起こらず、より詳細で精度の高い評価ができるという。Ldenはday-evening-night equivalent sound levelに由来する呼称で、単位はWECPNLと同様に「dB(デシベル)」を用いる。