2009年12月7日~19日までデンマークのコペンハーゲンで開催された、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で承認された政治合意文書。日米欧の主要先進国に中国などの途上国を加えた20数カ国が立案した。会議は先進国と途上国が激しく対立し、一部途上国が合意に最後まで反対したため、全体会合では全会一致が原則となる正式採択ができず、「合意に留意する」との提案を承認する形を採った。法的な拘束力は持たないが、ポスト京都議定書となる13年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みの方向を示す。合意を支持する国・地域は、合意のリストに登録して自主的に参加する形式で、先進国は10年1月末までに20年の温暖化ガス排出削減の中期目標を提示し、途上国も1月末までに発展段階に応じて削減のための行動計画を作成することが柱となっている。合意のおもなポイントは以下の通り。(1)全体目標として、産業革命前からの気温上昇を科学的見地から2度以内に抑制することを明示した。(2)先進国は1997年の京都議定書より排出量削減をさらに強化し、2010年1月31日を期限に20年の具体的な削減目標を提示し、リスト化する。(3)削減義務のない途上国は自主的に国・地域別の排出削減のための行動計画を作成し、10年1月31日までにリスト化するとともに、国連に2年に1回、排出量の状況を報告する。また、先進国の技術支援、資金支援を得た場合の削減行動については国際的な監視を受ける。(4)温暖化ガス排出削減を目的とする、先進国の途上国向け資金支援を拡充する。まず、10~12年を対象に300億ドル拠出し、20年までに先進国全体で官民合計年1000億ドルを拠出する仕組みを構築する。(5)技術移転を促す枠組みを構築する。(6)ポスト京都議定書の枠組み作りを話し合う国連作業部会は継続する。(7)15年までに合意を検証し、同時に長期の削減目標を再検討する。なお、コペンハーゲン合意に対しては、具体的削減数値の設定が見送られ、13年以降の具体的枠組みも先送りされるなど、問題点も指摘されている。