角膜や結膜に障害をきたし、目が乾く、疲れる、ゴロゴロする、痛いといった症状を伴う疾患。涙の量が不足して起こる「涙液減少型」と、涙表面の油分が不足して涙の蒸発が早まる「蒸発亢進型」に大別される。最近では、涙の量や油分に異常がないのにドライアイの症状を訴え、BUT短縮型ドライアイと診断されるケースが増えている。これは、涙が角膜の表面にとどまらないために目の乾燥をまねく新しいタイプのドライアイ。BUTとはbreakup timeの略で「涙液層破壊時間」のこと。目を見開いたまま、まばたきをしない状態で、角膜表面の涙液層が破壊されるまでの時間をいう。「BUT短縮型」は、BUTが短いため角膜を覆う涙の量が安定せず、目が乾きやすくなる。角膜の表面は「膜型ムチン」という突起状の組織で覆われており、涙液を保持する働きをする。BUT短縮型ドライアイは、この細胞の異常によって起こると考えられているが、原因ははっきりしていない。角膜と結膜の損傷が少ないため、ドライアイと診断されないことも多いという。