動脈の内膜に、コレステロールなどの脂肪が蓄積してできたアテロームと呼ばれるどろどろした粥状(じゅくじょう)物質が沈着し、内膜が肥厚した状態。粥状硬化とも呼ばれる。血管の内腔が狭くなるため、血液が流れにくくなる。内膜の表面にある内皮細胞が何らかの原因で傷つけられると、白血球の一種であるマクロファージが血液中のコレステロールを取り込むことからアテロームができる。傷ついた部分を修復するために血小板が付着するとさらにアテロームは大きくなり、表面の膜が破れて血栓ができることで動脈硬化が進んで血管が狭くなっていく。動脈硬化は、その起こり方やできる部位によって、大きく3つのタイプに分類され、アテローム動脈硬化のほかには、3つの層からなる動脈の中膜に石灰質が沈着して起こる中膜硬化(メンケベルグ型動脈硬化/メンケルベルグ型動脈硬化)と、脳や腎臓内の細い動脈が硬化する細動脈硬化がある。この中でもっとも代表的なものがアテローム動脈硬化で、心臓を取り巻く冠動脈、大動脈や脳動脈など太い動脈に起こるため、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの引き金になりやすい。