アイスクリーム、かき氷などの冷たいものを一気に食べると、こめかみや前頭部がキーンと痛むように感じる頭痛。冷たい刺激が口からのどを通過してから数秒後に、非拍動性の急性頭痛が20~30秒間誘発され、刺激が消えると5分以内におさまる。その後、人体への健康的な影響は残らない。これは、強烈な寒冷刺激が脳幹にある三叉神経へと伝達される際に、感覚信号が混線して発せられてしまい、冷たさと痛さ、刺激を感じた場所などを神経が勘違いするのが原因、と考えられる。こうしたメカニズムを、関連痛または放散痛という。対して、強烈な刺激で頭部の血管に一時的な炎症が起こるのが原因、とする説もある。冷たいものを一気に早く飲み込むと生じやすい、片頭痛があると生じやすい、口蓋(口の中の上側)やのどの奥など、刺激を感じる場所によって頭痛が起こる場所も変わる、など多数の研究報告もなされている。名称は正式な医学用語であり、2004年に改定された国際頭痛分類第2版では、頭部神経痛・中枢性顔面痛の項目に分類されている。