複数の走行方式を備えた乗り物。線路を走行する鉄道と、道路を走行するバスの機能を兼ねるのが一般的。車両の製造、保守費用を節減できるほか、乗り換えをせずに、電車、バスの路線を乗り継ぐことができるなど、利便性が高い。イギリスやドイツで導入が検討されてきたが、走行方式の切り替えに時間がかかるなどの問題から、実用化には至っていなかった。しかし、2004年に、JR北海道がマイクロバスを改造した試験車両の開発に成功。タイヤの内側に取り付けた鉄道用の車輪を、油圧で上下させる仕組みで、走行方式の切り替えが15秒程度で可能になった。07年4月から、オホーツク海沿岸の釧網線浜小清水~藻琴駅間の約11kmで、予約制の試験営業を開始。7月からは観光地を周遊する路線を設けて本格営業を目指す。運転士の免許の扱いなど課題もあるが、乗降客数の少ない路線を抱える自治体が導入を検討しており、岳南鉄道(静岡県富士市)が試験走行を行っている。なお、欧米ではデュアル(複式の)の名称から、電気と軽油など、複数の動力源で運行する車両をDMVと呼ぶ場合もある。