日本で開発された、心不全症治療用の埋設型補助人工心臓。従来の拍動式とは作動原理が全く違う、モーター回転の遠心力で血液を送る遠心ポンプ式を採用し、格段に小型化されている。システムは、体内に植え込む重さ420gのポンプ、体外に携帯するA4サイズのコントローラー、それらをつなぐ駆動ケーブルからなる。作動音や振動がなく、長寿命で、携帯性にすぐれているのが特徴。そのため、自宅療養や外来管理ができ、装着中もほぼ普通の生活が送れる。開発には東京女子医科大学、早稲田大学、ピッツバーグ大学、サンメディカル技術研究所などが協同であたった。2005年5月から日本で臨床治験が始まり、08年8月に全18症例の治験が完了。末期重症心不全症患者の予後について、6カ月生存率が89%、1年生存率は83%に達することが確認された。この数値は、従来の補助人工心臓治療の1年生存率50%を大幅に塗り替え、心臓移植治療の1年生存率81%と同レベルになっている。薬事未承認品。