厚生労働省の研究班が2011年1月から試験運用を開始した、医薬品の副作用情報を患者が直接、インターネット経由で報告できるシステム。慶應義塾大学や東京大学などの研究者からなる「患者から副作用情報を受ける方策に関する調査研究班」によって実施されている。期間は同年7月までで、この結果を踏まえて11年度中に本格運用を開始したい考え。医師から処方された医薬品だけでなく、市販薬も対象になる。また、副作用が起きた本人だけでなく、家族や介護者も報告することができる。報告の方法は「医薬品副作用報告システム」(http://rx.di-research.jp/)にアクセスし、画面に表示される設問に答えていくというもの。設問は「副作用症状があらわれたのは誰ですか?」など7問が用意されており、報告後に発行されるIDとパスワードを用いることで、後から報告内容を修正することもできる。報告された副作用情報は、本システムの検証以外に、個人名などがわからないように集計され、学会や論文などでも利用される。また、重篤と考えられる副作用については、個人情報を除いて、厚生労働省に報告される。なお、副作用の報告制度は、医療機関や医師、製薬企業、薬局などを対象とした「医薬品・医療機器等安全性情報報告制度」があり、関係者は薬事法に基づき、副作用や感染症、不具合について厚生労働大臣に直接、報告することが義務づけられている。