東京電力福島第一原子力発電所事故により、放射性物質で汚染された地域の除染や、がれきの処理などに関する特別措置法。放射性物質環境汚染対処特別措置法、放射性汚染がれき処理法とも言う。2011年8月19日、民主、自民、公明3党による議員立法として国会に提出され、26日成立した。現行の原子炉等規制法では、原発の敷地外に出た放射性物質による汚染について定めがなく、廃棄物処理法や土壌汚染対策法にも規定がないことへの対応。事故に伴う環境汚染で人の健康や生活環境が受ける影響を、速やかに低減させることが目的。具体的には、次のような地域を環境大臣が指定のうえ、対策を取る。(1)放射性物質による環境汚染が著しいと認められる地域を「除染特別地域」とし、国が土壌などの除染措置を行う。(2)汚染レベルが除染特別地域よりも低い地域は「汚染状況重点調査地域」とし、同地域の除染は都道府県知事等が行うが、必要に応じて国が代行する。(3)汚染されたがれきなどについては「汚染廃棄物対策地域」を指定し、国が収集、運搬、保管、処分を行う。それぞれの基準は今後環境省が決定する。一部即日施行されたが、大部分は12年1月1日から。正式名称は「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」。