種苗法に基づく品種登録制度で登録された日本産のコメの品種は、通常、主食として食べたり清酒の醸造に用いられるうるち米に限っても約300種類あると言われている。特にコシヒカリ系の人気が高く、2009年産の水稲うるち米の品種別作付比率では、1位コシヒカリ、2位ひとめぼれ、3位ヒノヒカリ、4位あきたこまち、5位キヌヒカリとなっており、すべてコシヒカリ系で占められている(この上位5位の順位は08年も同じ)。コシヒカリは、明治時代に人気のあった品種「旭」と「亀の尾」を祖先にしており、もち米を系統に含むために粘りが強い。かつてコシヒカリと人気を二分したササニシキも、さかのぼれば「旭」と「亀の尾」にたどり着くが、系統にもち米を含まない100%うるち米のため、粘り気の少なさが特徴となっている。品種名称の付け方については、かつて国の機関で開発された場合はカタカナ6文字以内、都道府県の機関で開発された場合はひらがな6文字以内、民間の場合は漢字や数字を使用してもよいというルールがあった。このため、コシヒカリやササニシキはカタカナ表記が正式名称になる。また、コメの各品種は日本全国で栽培されるため、品種の他に、魚沼産コシヒカリなどの産地名を含めたブランド名としての「銘柄」がある。同じ品種でも産地が異なれば味に違いが出ると言われており、09年の水稲うるち米の銘柄は500以上存在している。