牛肉の赤身部分に、牛脂や軟化剤などの調味液を針山のような装置で注入(インジェクション ; injection)し、霜降り肉のように加工した食肉のこと。インジェクション加工肉、人工霜降り肉、霜降り加工肉などとも呼ばれている。注入後の冷凍によって、牛脂が肉中で霜降り肉のサシ(脂肪が細かく交雑した状態)のように凝固する。主として外国産のカウミート(搾乳後の乳牛の肉)が使われ、高級和牛肉の半値以下で販売されている。ファミリーレストランなど外食産業のステーキに用いられることが多いが、消費者庁は2011年3月、牛脂を注入した加工肉を「霜降サーロインステーキ」と表示していたステーキチェーン店に対し、霜降りという表示はサシ入りと誤解されるため、「牛脂注入」という説明が必要であるとする措置命令を出した。