樹木の下にじかに遺骨を納める集合埋葬方式。東京都東村山市など3市にまたがる都立小平霊園が、2008年の東京都公園審議会答申「都立霊園における新たな墓所の供給と管理について」を受け、人口密度の高い都内の深刻な墓地不足や「死後は安らかに自然に返りたい」という時代のニーズに応え、都立霊園初の試みとして始める。12年5月13日からの現地案内会には、当初予定(300人)の8.5倍に当たる約2500人の申し込みがあったという。樹林墓地とは、コブシ、ネムノキ、ヤマボウシ、ナツツバキ、イロハモミジなど四季折々に変化を見せる落葉樹が植えられた834平方メートルの土地に、共同埋蔵施設として直径1.5メートル、深さ2.1メートルの円筒形の穴を27カ所あけ、分解されやすい紙に包んだ遺骨を土をかぶせながら層状にして納めるもの。参拝広場や献花台が設置される。遺骨1体13万4000円、粉状遺骨1体4万4000円で、一般墓所とは違い毎年の管理料は発生しない。遺骨は約30年で自然に返る。樹林墓地全体で1万700体分の遺骨が入る予定。隣接地には、シンボルとなる樹木の周辺に、遺骨を個別に30年間埋蔵したあと、共同埋蔵する「樹木墓地」も整備中で14年度の募集開始を予定している。新たな墓地の造成が困難な中、新しい墓地の供給方法として注目されている。