頭髪や体毛の一部が、円形に抜け落ちる病気。医学的には後天的な皮膚病の一つに位置づけられ、多くの場合は痛みやかゆみなどの自覚症状がなく、患者本人も気づかないうちに突然発症する。円形または楕円形の脱毛斑(脱毛巣ともいう)が1、2カ所だけできる単発型、同時期にいくつもできる多発型、頭髪がほとんど抜けてしまう全頭型、頭髪だけでなく眉毛やひげ、体毛まで抜けてしまう汎発型などのタイプがある。いずれも徐々に脱毛が進行するのではなく、部分的に、一気にまとめて抜けてしまうのが特徴。単発型から多発型、難治性の全頭型へと進行するケースもある。また毛髪だけでなく、4人に1人の割合で爪に小さな横スジやへこみが現れる。男女ほぼ同率で見られ、発症年齢も子どもから老人までと幅広い。原因は、体に備わる免疫細胞が毛髪を産み支える毛包組織を攻撃する自己免疫疾患説が有力だが、はっきりわかっておらず、精神的ストレス、内分泌異常、感染症、遺伝的素因なども考えられている。単発型であれば約60%の確率で自然治癒するが、それ以外は飲み薬や塗り薬による治療が必要となる。