認知症や知的障害などで判断能力を欠く人の財産を、第三者による使い込みといった不当な被害から守るための新支援制度。2011年4月より成年後見制度に導入される。特徴は、被後見人(後見人に保護される人)がもつ金融資産を、元本補てん付き信託という形で信託銀行が預かる点で、以後は家庭裁判所が用途をチェックし、本人のための支出と認められなければ引き出すことができない。ただし契約時の取り決めによって、被後見人の生活費などに充当する定期交付、医療目的などで使う一時金の交付を、後見人が管理する預貯金口座に対し行うことはできる。弁護士などに有償で頼っていた従来の仕組みよりも低コスト、かつ確実に財産を守れる方法として、信託銀行が組織する信託協会と最高裁判所家庭局が考案した。この制度を利用できるのは、成年後見制度と未成年後見制度の被後見人で、成年後見制度の被保佐人・被補助人、判断能力の衰えに備えて自ら後見人を選んでおく任意後見制度の被後見人は利用不可。利用したい場合は、家庭裁判所に後見開始または未成年後見人選任を申し立て、適用相応と判断されればその旨の指示書が発行される。