心筋梗塞の発作を起こしたり、虚血性心疾患などで心臓手術を受けた患者が行う、再発予防と社会復帰のための活動プログラム。心臓リハビリ、心リハとも呼ばれる。1980年代以降、病後の適切な運動が再発や死亡率を減らすことが判明し、95年にアメリカ公衆衛生局(United States Public Health Service ; PHS)が定義づけを行った。一般的なプログラムは、(1)入院や手術で低下した体力を回復し、病後うつなどを解消させる運動療法、(2)職場復帰などの精神的自信をつけるカウンセリング、(3)再発予防のための患者教育と生活指導、といった内容からなる。とくに大切なのは運動療法で、最初はベッドから起き上がる軽い動作から始め、段階的に活動量(運動の強さ)を増やしていく。発症ないし手術後1~2週間は急性期リハビリとして、洗面、トイレ、廊下歩行などができるまで訓練する。次に回復期リハビリとして、心拍数や血圧をモニターしながら、エアロバイク、早足歩行、体操など、自分で「ややきつい」と感じる運動を続ける。回復期リハビリのプログラムは個々に応じて決められ、1日30~60分間、1週間に3~7回を目安に、外来通院や在宅で2~3カ月間行う。その後は維持期リハビリとして、地域の運動施設などでの運動療法や、食事療法を生涯行うよう指導される。