「図表でみる教育」は、経済協力開発機構(OECD)が1992年から発表しているもので、世界各国の教育の現状を調査した報告書。2012年版は同年9月11日に発表された。OECD加盟34カ国のほか、非加盟のG20諸国などを対象として、教育制度や学習環境の情報、教育にかかわる費用、人的資源、教育機関の成果、学習の影響などの指標や分析データをまとめたもの。12年版では、09~10年の世界的な景気後退期の中での教育と経済の状況を精査し、高等教育機関を修了した者ほど失業率が低く、それ以外の者との所得格差も拡大している、との分析が出された。日本については、初等教育から高等教育段階までの在学者1人当たりの年間教育支出は1万35ドルとOECDの平均9252ドルを上回るものの、国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合が09年で3.6%と、加盟国で比較可能な31カ国中最下位だった。最下位は3年連続。OECDの平均は5.4%で、1位はデンマーク7.5%、以下アイスランド7.3%、スウェーデン6.6%となっている。また、一般政府総支出に占める割合も8.9%で32カ国中最下位。公的支出が低い一方、全教育段階での正規の教育機関に対する教育支出のうち、私費負担は31.9%を占め、チリ、韓国に次ぎ30カ国中3位、OECD平均16%の2倍近くとなった。これには、塾など学校外の教育費の負担は含まれていないことから、家計への負担の重さが浮き彫りにされた。