2012年11月16日、改正国民年金法が参議院本会議で可決・成立した。正式には「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律」と言う。改正の内容は、12年度以降の基礎年金の国庫負担2分の1を維持すること、特例水準を解消することの2点。特例水準とは本来、法律が想定している公的年金の水準(本来水準)より高く設定された水準を指す。2000年度から02年度の間に物価が下がったのにもかかわらず、年金額が引き下げられなかったため、本来水準よりも2.5%高い額が支払われていた。その後、景気回復も遅れていることから、年金財政をさらに圧迫しており、また、保険料負担が上昇している現役世代の不公平感もあるため、段階的に解消することが決定した。13年10月分から1%、14年4月分から1%、15年4月分から0.5%引き下げられる。減額の開始が当初の政府案から1年先延ばしにされたため、11年度までの累計過払い約7兆円からさらに約2.6兆円の過払いが発生する。なお、国民年金法は、1959年4月に国民皆年金を実現するために制定された法律。