妊娠中に、医療機関で一度も健康診断を受けたことがない妊婦。かかりつけ医を持たず、陣痛や異常を感じてから、初めて医療機関にかかるため、未受診妊婦の出産は「飛び込み出産」とも呼ばれる。妊婦は、流産や早産を予防するために、妊娠週数に応じた胎児の発育検査や、自身の健康診断を受けることが望ましい。しかし、健診では、健康保険が使えないために、費用の自己負担額が大きいことや、近年の産科医師不足、健診の重要性を妊婦自身が自覚していないことなどから、未受診妊婦は増加傾向にある。2007年8月に奈良県で、救急搬送された妊婦が、病院への受け入れを拒否された後、死産した事例を受け、かかりつけ医を持たない妊婦の、病院への受け入れ拒否が、全国各地で相次いで明らかになり、問題視されている。