イギリスの経済誌「エコノミスト」の調査部門会社であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が2010年7月14日に発表した、「死を迎えるのに最適な国」のランキング。調査は、OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国と、データがそろうことを条件に選んだ10カ国、計40カ国の医師や専門家を対象に行われた。現代医学でも治癒しない末期のがん患者などを対象とする終末期医療への国民意識や鎮痛剤の使用状況、医者と患者の間のコミュニケーションなどの実態を聞き取り調査し、「死の質(QOD quality of death)」として指標化、順位づけた。それによると1位はイギリスで、ホスピス間のネットワークが充実していることや、終末期医療に対する法的整備などが評価された。2位はオーストラリア、3位ニュージーランド、以下アイルランド、ベルギー、オーストリア、オランダ、ドイツと続き、9位にカナダとアメリカが並んだ。最下位はインド、日本は23位だった。デンマーク22位、イタリア24位、韓国32位など、最先端の医療システムをもつ富裕な国でも、終末期医療に対する取り組みがなされていないことが指摘されている。