病気治療にのぞむ子どもの不安を取り除き、心理面から支援する専門職。イギリスのホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)や、アメリカのチャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)に準ずる、日本独自の認定資格として、2011年春より養成講座が始まる。講座を主催するのは、10年12月に発足した子ども療養支援協会。学士課程以上の卒業生、または医療機関での3年以上の勤務経験者(いずれも見込みを含む)が受講でき、専門家による140時間の講義と、HPSやCLSの有資格者がいる医療機関での最低700時間以上の実習を経て、規定の評価を得ることが必要。求められる技能は、絵本や人形ごっこなど、子どもの気持ちに寄り添った方法での治療内容の説明(プレパレーション)、入院・治療中の子どもの気を紛らわしたり、治療意欲を出させる遊びの実践(ディストラクション)、ストレス・苦痛・恐怖などを和らげるケア、療養に適した環境の整備、兄弟姉妹ほか家族に対するケア、など多岐にわたる。現在、日本ではHPSやCLSの有資格者が20数人活動しているが、子ども療養支援士は1病棟に1人配置を目標に、約3000人の養成をめざす。