大学などの教育機関が無料で公開し、共有化されている学習教材のこと。専門的には、「教師・学生・自習者が教育・学習・研究するために利用・再利用できる無料かつオープンなデジタル化された素材」などと定義される。代表的なものとして、大学が講義とその関連情報をインターネットで無料公開するオープン・コース・ウエア(OCW ; open course ware)がある。オープン・コース・ウエアでは、シラバス(講義要目)や講義ノートをはじめ、実際に講義で出された課題、定期試験とその解答、講義のビデオ映像まで提供されるようになっている。アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)が積極的な取り組みで知られ、2010年時点で2000を超えるコースを公開している。日本でも06年に「日本オープンコースウェア・コンソーシアム」(JOCW http://www.jocw.jp/index_j.htm)が設立され、東京大学や京都大学、慶応義塾大学、早稲田大学など20以上の大学が講義内容などの無料公開を行っている。オープン・エデュケーショナル・リソースは、高等教育の地域間格差の是正や、生涯学習の機会提供を通じて、社会に大きく貢献するものとして注目されている。大学側にとっては、優秀な学生を引きつけるための広報・宣伝効果も大きい。また、国際機関を中心に、オープン・エデュケーショナル・リソースを開発途上国の教育に活用しようとする動きも始まっている。