パソコンでの長時間の作業など、手指を酷使することで起こる腱鞘炎(けんしょうえん)を指す俗称。キーボード腱鞘炎、マウス腱鞘炎などとも呼ばれる。筋肉と骨をつなぐ腱というひも状の組織と、腱を取り囲む腱鞘というトンネル状の組織がこすれ合って傷み、炎症の起きた状態が腱鞘炎。手を酷使するピアニストやスポーツ選手、また中年以降の女性などで発症することが多いが、長時間パソコンで作業したり、指先でモバイル端末を操作したりすることが日常的になった現代、若者の発症も増えているとされる。欧米では、同じ動作を長時間繰り返し行うことで起こる、肩や腕、手首などの腱や筋肉の異常を総称して反復運動過多損傷(RSI ; repetitive strain injury)と呼び、社会問題となっている。2006年、イギリスの携帯電話会社であるヴァージン・モバイル社は、携帯メールの打ちすぎなどで手首や親指の痛みなどRSIを訴える人が、国内に380万人いるとの推計を発表した。