東京大学生産技術研究所と神戸製鋼所が共同開発している、乗車位置によって移動するホームドアの名称。ホームドアは、線路への転落を防止するため、鉄道の駅ホームに設置される装置で、ドアと、ドアを収納する戸袋で構成されている。ホーム柵とも呼ばれる。国土交通省は、全国の駅でホームドアの設置を進めているが、現在利用されているホームドアは戸袋が固定されているため、ドアの位置や数が異なる車両が複数乗り入れるホームでは導入できない場合が多い。こうしたことから、東京大学生産技術研究所と神戸製鋼所は、2009年より共同で可動式のホームドアの開発を開始。二度の試作機による約80万回の移動・開閉試験を経て、13年9月から実際の駅での試用運転を予定している。仕組みとしては、ホームに設置されたレール上を戸袋が移動し、到着する車両のドアの位置にホームドアを合わせるというもの。停止位置のずれはセンサーによって調整する。これにより、国内の大半の車両に対応が可能だと言われている。国土交通省の調べによると、12年9月末時点で、1日の平均利用者数が10万人を超える駅は235あり、そのうちホームドアが設置されているのは34駅となっている。なお、「どこでも柵」は、神戸製鋼所の登録商標。