社会を構成する成員の自殺件数を表す数値で、通常人口10万人あたりの年間自殺者数で示される。日本の自殺率は歴史的に高く、統計が取られ始めてまもない1901年で世界第3位(17.7)、80年でも第5位(17.7)と、北欧などと並び有数の自殺国である。とりわけ98年以降、自殺率は高率で推移しており、2009年までの12年間にわたり、年間の自殺件数は3万件を超えている。警察庁がまとめた09年の自殺者数は3万2845人(男2万3472人、女9373人)、自殺率は25.8であった。世代別では50歳代が全体の19.8%を占め、ついで60歳代(18.1%)、40歳代(16.0%)と続く。原因・動機別では「健康問題」が最も多く、次に「経済・生活問題」と続くが、不況時代を反映して「失業」と「生活苦」が大きく増加している。男女別では、いずれの国でも一般に男性が女性を上回る。国別では、べラルーシ(35.1)とリトアニア(30.4)、ロシア(30.1)など旧ソ連圏が飛びぬけて高く、日本(6位)と韓国(9位)もアジア圏にあっては高い。日本では「自殺者3万人」のための対策として、06年6月に成立した自殺対策基本法に基づき自殺総合対策大綱が策定され、自殺予防に向けた総合的な対策を支援するため、国立精神・神経センター内に自殺予防総合対策センター(東京都小平市)が設置されている。また、自殺の総合対策と自殺予防・防止のための啓発活動に取り組むNPOに自殺対策支援センターライフリンクがある。なお毎年9月10日は世界自殺予防デーである。