けん銃や刀剣などの保有や所持、使用を制限する法律(1958年制定)。「銃砲」とは、けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃や空気銃なども含み、「刀剣類」とは、刃渡り15cm以上の刀や槍などの刃物類や飛び出しナイフなどを指し、「所持」とは、保管・携帯・運搬のことを言う。こうした銃器類のみならず、銃器の部品でも、許可なく所持することは許されず、保管できる実包(実弾)の数も制限されている。さらに言えば、刃渡り6cm以上のキャンピングナイフやカッターナイフであっても、武器として所持することは、銃刀法上は許されない。しかし職務で許されている者のほか、精神病などの患者、アルコールや覚せい剤中毒の者など、法律で定める欠格事由のある人を除けば、銃の種類による年齢制限はあるものの、銃刀の一点ごとに、都道府県の公安委員会から、所持の許可を得ることができる。とりわけ銃砲については、年間およそ2万5000丁前後の新規許可が出されており、30万丁以上の猟銃(散弾銃とライフル銃)と空気銃などを合せて、通年40万丁前後の銃砲が日本国内に「合法銃」として出回っている。それゆえ許可後の銃砲の管理も問題で、猟銃などによる事故・事件の発生件数は毎年およそ50件、30人もの死者が出ている。2007年12月9日には、東京都目黒区で点検中の父親が目を離したすきにライフルが暴発し、2歳の次男が死亡する事故があり、また同年12月14日には、長崎県佐世保市で、散弾銃を持った男がスポーツクラブに押し入り、2人を殺害し自殺する事件が起きた。暴力団などによる銃器犯罪の重罰化を柱とした改正銃刀法が、07年11月に成立しているが、今後、銃砲の共同管理や、所持許可の欠格事由の厳格化を含む、銃刀法のさらなる改正を望む意見がある。