最先端医療分野の研究開発を促進するために政府が創設したもの。従来の行政区域単位の特区とは異なり、テーマを重視した特区で、複数拠点の研究者をネットワークで結んだ複合体が対象となる。「経済財政改革の基本方針2008」に盛り込まれた「革新的技術特区(スーパー特区)」構想の第1弾で、研究テーマは、(1)iPS細胞応用、(2)再生医療、(3)革新的な医療機器の開発、(4)革新的バイオ医薬品の開発、(5)国民保健に重要な治療・診断に用いる医薬品・医療機器の研究開発(がん・循環器疾患・精神神経疾患・難病等の重大疾病領域、希少疾病領域その他)の5分野。政府は2008年7月25日~9月12日まで研究課題を公募し、同年11月18日に選定結果を発表。応募は143件あり、ヒトの新型万能細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥・京都大学教授を代表者とする「iPS細胞医療応用加速化プロジェクト」など24件が採択された。特区に選ばれると、研究予算が効率的に使えるほか、新薬の開発相談などが優先的に受けられるなどの5年程度の特例措置がある。