イギリスのグラクソ・スミスクライン社が開発した、子宮頸がん予防ワクチン。現在までに、世界90カ国以上で認可されている。日本でも2009年10月16日、厚生労働省が製造販売を承認した。子宮頸がんは、女性特有のがんとしては乳がんの次に発症率が高く、国内では年間に推計約1万5000人が発症し、3000人以上が死亡。最近は20~30歳代の人に増えている。原因は、発がん性をもつヒトパピローマウイルス(HPV)への感染で、特に16型、18型という2種類のHPVに起因するケースが約7割を占める。そこで「サーバリックス」は、16型、18型HPVに特化して免疫を獲得し、感染予防するよう設計してある。海外における臨床試験では、予防率は90~100%、効果も6~7年間持続すると判明した。ワクチン製造には、DNAが存在しないウイルスの一部を使うため、接種によって感染することはない。接種対象は10歳以上の女性で、通常0、1、6カ月後に3回、上腕へ筋肉内注射する。09年中に予定されている発売時には、任意接種のため4万~6万円の費用がかかる見込み。