国民の司法参加を目的に、裁判員に選ばれた一般市民が裁判に参加する裁判員制度が、2009年5月までに導入される。それに先立ち、解決すべき問題を探るため、裁判所・検察庁・弁護士会などによって開かれているシミュレーションが模擬裁判である。その数は全国で120件以上に及ぶ。裁判員は裁判官とともに、死刑・無期刑が含まれる犯罪の裁判を行うが、模擬裁判の結果、「裁く立場の戸惑い」「人を裁く責任と重さ」を、感想として持つケースが多い。実際の裁判では、6人の裁判員を選ぶのに、100人程度の裁判員候補者が招集される。このため、候補者のスケジュール調整、職場のローテーション調整などが必要とされる。最高裁判所や検察庁、弁護士会では、大手企業と協力して、07年5~6月に実際の裁判と同様に、候補者を招集して模擬裁判を行う。候補者は家庭面・業務面を調整した上で、裁判に参加するかどうかを決定することになるので、裁判参加率なども調べ、辞退の場合にはその理由も尋ねる。さらに裁判員に選ばれた6人が裁判に加わり、判決を出すまでの一連の流れを、予行演習することにしている。