飲酒運転やスピードの出し過ぎ、わき見運転など、危険な運転で人身事故を起こしたドライバーに、懲役7年以下の罰則を科す犯罪。すでに危険運転致死傷罪(2002年12月施行)では、故意で悪質な運転で事故を起こせば、1年以上、最高刑で20年(改正で15年から引き上げ)までの懲役を科すとしている。しかしこれは、故意犯を処罰の対象とするため、適用要件が厳しく、人身事故を起こしても、業務上過失致死罪(業過罪)が適用されるケースが多い。「業務上過失」とは、日常的な行為で注意を怠ったために生じた事故などを指し、たとえ死なせた場合でも、5年以下の懲役刑しか問えない。事故の被害者家族などから、交通事故の業過罪の刑罰が軽すぎるとして、厳罰化を求める声があった。このため、本来の業過罪から切り離して、自動車運転については自動車運転過失致死傷罪が新設され、罰則では業務上過失致死の上限を、2年上回ることになる。改正対象の「自動車」にはオートバイ、バイクなどの二輪車も含まれる。改正刑法は、07年5月17日に衆議院本会議で可決、公布から20日後に施行される。