花粉症などのアレルギー性疾患を、根本的に治療する現在唯一の療法。体内に侵入して免疫・アレルギー反応を起こさせる原因物質(抗原またはアレルゲンという)のエキスを希釈し、長時間かけて少量ずつ皮下注射する。対象となる原因物質は、主に花粉と室内塵(ハウスダスト)。病院によって手順が多少異なるが、おおよそは濃度や液量を上げながら、週1~2回を目標に注射を繰り返し、徐々に原因物質に体を慣れさせてゆく。治療を始めて3~4カ月経たころには、過敏性が薄れてくるので、その後は体質の維持用として、月1回の注射投与を継続する場合が多い。この療法における、スギ花粉症に対する日本での治療成績は、80%以上と報告されている。ただし根治するまでには、最低でも2年間以上、50回程度の通院が必要なうえ、注射後は副作用対策として30分以上病院にとどまらなければならない。そこで、近年は原因物質を注射以外で投与する、舌下減感作療法、口内錠減感作療法などが実用化に向けて研究されている。