アメリカのニューヨーク市マンハッタンに本拠を置く非営利の報道組織。ProPublicaはラテン語で「公共のために」を意味し、社会的な不正や矛盾に切り込む調査報道を専門とする。ウォールストリート・ジャーナル紙の元編集局長ポール・スタイガーを中心に、2007年10月に発足、08年6月に記事配信を開始した。約30人のスタッフが独自の取材で記事をまとめ、ウェブサイトで無料配信しているほか、ニューヨーク・タイムズ紙やロサンゼルス・タイムズ紙、CNNなど既存の報道メディアにも記事を無料提供し、共同取材も行っている。運営資金は、サンドラー財団(本部・カリフォルニア州サンフランシスコ)をはじめとする諸団体や個人からの寄付金によってまかなわれているが、11年からは広告の受け入れも開始した。プロパブリカは10年4月、巨大ハリケーン「カトリーナ」に被災したルイジアナ州ニューオーリンズの病院での安楽死問題をめぐる記事により、優れた報道に贈られるピュリツァー賞をインターネット・メディアとして初めて受賞。さらに11年4月にも、ウォール街の不透明な取引慣行の実態を追及した記事により2年連続でピュリツァー賞に輝いた。