道路上に一般道と分離した専用道路を設けてバスを運行させる新交通システム。バス・ラピッド・トランジット、BRTとも呼ばれる。複数の車両を連結させることもある。専用道路を走ることで渋滞の影響を受けなくなるために、ダイヤ通りの運行を確保することができ、車両の連結で輸送力を高めることもできる。従来の路線バスよりも定時性や高速性、利便性に優れていることから、交通渋滞の激しいブラジル、中国、インドネシアなどの大都市で運行されている。日本では、名古屋市を走るガイドウェイバス「ゆとりーとライン」や、茨城県小美玉市と石岡市を走る「かしてつバス」などがこのシステムを導入している。かしてつバスは、2007年に廃線となった鹿島鉄道の線路跡地をバス専用道路に整備し、10年8月に公設民営方式で運行を開始した。BRTは鉄道に比べるとランニングコストが低減され、採算性の向上を図ることができることから、不採算鉄道路線や廃線の代替運行としても注目されている。JR東日本では、東日本大震災における津波で線路や駅舎が流失して不通になっている山田線、大船渡線、気仙沼線の3線について、BRTによる復旧を検討している。従来の鉄道ルートをそのままバス専用道路に活用すれば、レールを敷き直したり駅舎を建設し直したりする必要がないため、整備費用を抑えられるうえ、早期の整備が可能となる。