東京電力福島第一原子力発電所事故後の福島の現実を見すえ、脱原子力を世界に発信するため、日本のNGO・ピースボートなど6団体が実行委員会となって2012年1月14~15日に横浜で開催された国際市民会議。日本のほか、韓国、中国、ドイツ、フランス、ヨルダン、仏領ポリネシア、ロシアなど、約30カ国から約100人が参加して開催され、会場には主催者発表で両日合わせて延べ1万1500人が集まり、インターネット上で全世界の約10万人が視聴した。会議では、福島や、オーストラリア、台湾など海外も含めた協力団体などが加わって、約100のテーマ部会なども実施された。「ふくしまの部屋」「子どもプログラム」などの参加型企画のほか、持ち込み企画が行われたり、トークライブでは歌手の加藤登紀子、映像作家の手塚眞、人類学者の中沢新一らが登場したりした。閉会イベントには、タレントの山本太郎や東京大学名誉教授の上野千鶴子、社会学者の宮台真司も参加した。会議は東電福島第一原発事故の被害者の権利を守ること、政府と東電に完全な情報公開などあらゆる責任を求めるなどの8項目からなる「原発のない世界のための横浜宣言」を発表。日中韓の3カ国の311人による「東アジア脱原発・自然エネルギー311人宣言」を12年3月11日に正式発表し、東アジアの行動ネットワークとすることも発表した。また、会議に参加した南相馬市の桜井勝延市長ら、脱原発を唱える8人の市町村長が「脱原発市区町村長会議」(仮称)を発足させることを決めた。