病気による診断や治療を行ってから、5年後の時点で生存している患者の割合。通常は百分率(%)で示し、治療の効果を判定する重要かつ客観的な指標とされる。特にがん治療においては、治療後5年を超えても腫瘍が認められないと、その後の再発がまれになるため、部位別の生存率や治療成績を比較するうえで、最も重要視すべき指標となっている。5年のほかには、1年、2年、3年、10年といった単位の生存率も参照される。また、がん患者の5年生存率を、日本人全体における割合と比較した数値を5年相対生存率といい、がんの種類別に算出する。この数値が100%に近ければ、治療で生命が助かりやすく、0%に近いと助かりにくい難しいがん、という指標になる。国立がん研究センターが発表している部位別集計では、男女平均して大腸や結腸がんが約70%、胃がんが約60%、肝臓や肺がんが約20%。女性に多いがんでは、乳がんが約80%、子宮がんが約70%となっている。全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)は、30種類以上の部位のがんについて、年齢、性別、進行度別に平均的な5年生存率がわかるシステムKapWeb(カップウェブ)をホームページ(https://kapweb.chiba-cancer-registry.org/web/general/top.aspx)で公開している。