運動や仕事などで疲れた際に、体から発散される臭い。体内で産生されたアンモニアの処理が間にあわず、汗と一緒に排出されるのが原因と考えられている。そのため、ツンとした刺激臭を伴うことが多い。アンモニアは、たんぱく質や尿素が、腸内細菌によって分解され、腸管内で大量に産生される。腎臓や骨格筋、脳でも産生され、食事で肉類などを多くとったり、筋肉を運動させると増加する。血液中に放出されたアンモニアは、体にとって有害なため、通常は肝臓で尿素として浄化されたり、腎臓、脳、骨格筋内でもグルタミン合成酵素による無毒化が行われる。しかし、過度な運動による疲労の蓄積、飲酒による肝機能低下、ストレスによる免疫力低下、過激なダイエット、食べ過ぎ、便秘などは、アンモニアの浄化力を抑制し、体臭を強める原因となりうる。疲労臭は、皮脂の酸化による加齢臭などとともに中高年に多く見られ、臭いで周囲に不快感を与えるスメルハラスメント(スメハラ)や、自臭症(自己臭恐怖)にもつながりやすい。対策としては、十分な睡眠と節酒、入浴などがよいとされる。