妊婦の風疹(ふうしん)ウイルス感染により、出生児に起こる様々な障害の総称。先天性心疾患、難聴、白内障が主症状で、他にも先天性緑内障、色素性網膜症、発育遅滞、精神発達遅滞など多岐におよぶ。発生頻度は、妊婦が風疹にかかった時期に相関し、妊娠初期ほどリスクが高い。妊娠4週までの場合は50%以上、5~8週は35%、9~12週は15%、13~16週は8%となっている。また、8週までは2つ以上の症状が重なって出現し、それ以降は難聴のみのことが多い。20週以降は、ほとんど発生しなくなる。原因は風疹ウイルスの胎内感染で、CRS自体の治療法がないため、ワクチン接種によって予防することが唯一確実な対策とされている。2012年からの風疹の流行拡大で、厚生労働省は、(1)妊婦の夫、子どもおよび同居家族、(2)妊娠希望者または妊娠する可能性が高い10代後半~40代の女性、(3) 産褥早期(出産直後)の女性のうち、十分な免疫抗体をもたない人にワクチン接種を呼びかけている。費用は、麻疹(はしか)・風疹の2種混合ワクチン(MRワクチン)で約1万円。ただし、妊娠中の接種は避けること。