店舗等で販売される生食用の牛肉について、食品衛生法に基づいて定められた加工や調理、保存方法などの規格基準。2011年10月1日から施行。11年4月末に焼き肉チェーン店で生肉のユッケなどが原因とされる集団食中毒事件が発生したことから、厚生労働省は生食用牛肉の取り扱いなどについての新基準を策定した。食品衛生法に基づき、食品や添加物、容器包装などについて規定する「食品、添加物等の規格基準」を一部改正し、新たに生食用食肉についての規格基準を追加した。なお、ここで言う「生食用食肉」とは牛の食肉を指し、内臓は含まない。鶏や豚、馬など他の食肉についても対象外。新基準では成分規格、加工基準、調理基準、保存基準の4項目について義務づけており、主な内容としては、(1)腸管出血性大腸菌やサルモネラ菌などが陰性であること、(2)手洗い設備や83度以上の温湯で洗浄できる設備などがあること、(3)真空パックして表面から1センチ以上の部分を60度で2分間以上加熱し、4度以下に冷却する、(3)加熱処理時の温度や時間などの記録を1年間保存すること、(4)保存は4度以下で冷蔵またはマイナス15度以下で冷凍すること、などがある。これらに違反した場合は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられる。生食用牛肉や馬肉については、1998年に策定された「生食用食肉の衛生基準」があるが罰則規定があるわけではなく、牛肉については周知徹底されてはいなかった。