東日本大震災後の自転車利用の増加と、これに伴う自転車関連事故の多発に対処するため、東京・警視庁が策定した総合的な対策計画。2011年12月12日発表、実施は12年1月1日から。警察庁が11年10月25日に各都道府県警本部に通達した「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」を受けたもので、年明けからの実施を目指して、策定を進めてきた。内容は、警察庁通達が掲げた3つの柱「通行環境の確立」「ルール周知と安全教育の推進」「指導取締りの強化」を実現する具体策になっている。例えば骨子発表時議論を呼んだ「原則車道走行」については、必ずしも強制ではなく、歩道での危険なジグザグ走行や高速走行などは厳しく指導・警告しつつ、普通に走行する人には「歩道内徐行」を求めるなど、柔軟な運用を明示。さらに、車道通行を妨げる違法駐車の取り締まりや、安全な走行が望める「推奨ルート」の提示、青色に塗った自転車専用レーンの設置などを併せて推進する。また管内102の各警察署で、1カ所以上の自転車重点地区・路線を設置。通勤・通学時間帯を中心に、警察官やボランティアが街頭指導を行うなどして、自転車利用者と歩行者との共存を図る。一方で、ブレーキのない競技用自転車「ピスト」の使用や飲酒運転など、大きな事故の誘因となる違反には、指導・警告なしに交通切符が切られ、走行中の携帯電話利用や、イヤホン等で音楽を聴きながらの走行も、指導・警告を徹底する。