インフルエンザに感染すると、重症化するおそれのある人。(1)5歳未満の小児と50歳以上の成人、(2)アスピリンの長期投与を受けているか、ライ脳症を併発する可能性がある小児および青年、(3)妊娠中の女性、(4)ぜんそくを含む慢性肺疾患、高血圧を除く心血管疾患、糖尿病を含む代謝性疾患のある人、(5)免疫が低下状態の人、(6)認知症や脊髄損傷などで、誤嚥(ごえん)、呼吸障害を起こす危険性のある人、(7)養護施設等の入居者。こうした基準は、季節性インフルエンザでの重症者をもとに、アメリカ疾病対策センター(CDC)が策定したもので、2009年にパンデミックを起こした新型インフルエンザA-H1N1についても同様に危険視されている。そのため国立感染症研究所では、日本国内の医療機関に感染予防策を要請し、該当者に対しては新型インフルエンザに関する正しい知識と情報を得る、医療機関の受診は事前に電話をして指示を仰ぐ、などのアドバイスを提示。厚生労働省も、新型インフルエンザのワクチン接種に関する公聴会で、ハイリスク者を最優先とすることを掲げている。