国立大学法人鹿屋体育大学(鹿児島県)の福永哲夫学長が提唱する、高齢者向けの筋力トレーニング。加齢とともに人間の体は衰えていき、太もも前側の筋肉は、50歳を過ぎると1年で1%落ち、風邪で1週間寝込んでも3~5%落ちてしまう。そのため、高齢者は転んで寝込んだりすると、筋力が低下して、歩行困難や寝たきりになってしまう場合がある。そこで、いつまでも元気で自立した生活を営めるよう、脚力を中心に、筋肉を蓄えることを目指す。道具は使わない。座ったままで行う「座位プログラム」と「立位プログラム」があり、いすから立ち上がるのが難しい人でも、座ったまま、ひざのばし(キック)、もも上げ、つま先上げや上体起こしなどのプログラムから始めることができる。福永学長が作った、「みんなで伸ばそう健康寿命、使えばなくなるお金の貯金、使って貯めよう筋肉貯筋、老後に備えて貯金と貯筋!」という歌詞を、「線路は続くよどこまでも」のメロディーで歌いながら行うことで、腹筋を使い、姿勢を正し、呼吸を止めずにトレーニングできるという。財団法人健康・体力づくり事業財団(東京都港区)は、2010年9月から、全国の総合型地域スポーツクラブで、貯筋運動を学んだ健康運動指導士による教室を開催し、正確で安全な「貯筋」ができるよう、普及活動を始めている。