畜産物や水産物などで、飼育や養殖の期間が最も長い地域(国)を「原産地」として表示するルール。たとえば、A国で採取したハマグリを生きたまま日本に輸入し、日本の浜で育てた後、出荷しても、生育期間全体のうち、A国で生育した期間の方が長ければ、原産地は「A国」となる。生育地が複数の場合も、最も長いところを原産地として表示する。消費者庁が主管するJAS法(日本農林規格法)の表示基準では、原則として収穫地を「原産地」としている。しかし、外国で飼育してから短期間だけ日本で育てた牛の肉を「国産」と表示したケースがあったため、出荷まで時間がかかる畜産物や養殖水産物などには、例外として「長いところルール」が適用されるようになった。ただ、栽培中に移動することを想定していないため、農産物には適用されていない。たとえば、きのこ類などは、輸入した菌床からできたものでも、収穫地さえ日本であれば「国産」となる。近年、中国からのシイタケの菌床の輸入が激増しているが、菌の接種から収穫までは4カ月かかる。そのうち3カ月間は中国で栽培され、日本に輸入してから収穫するまでは通常、1カ月程度にすぎない。このような現状にかんがみ、農林水産省では、シイタケについても「長いところルール」を採用するよう、JAS法の見直しに合わせて消費者庁に要請する方針を示している。